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11.私の願い…世界の片隅から

私のような接客仕事をする者は常に『自ら満足できるサービスとは何か?』を自問しています。それに対する端的な答えは、ゲスト様がいつ来ても何回来てもその都度満足される、と言うことです。そして心が癒されてまたお仕事を頑張ろうと思って頂くことです。

女装店アルテミスを経営していて日々感じるのは、お店はメイク&フォトスタジオを中核に据えていますが、それだけでよしとするのではなく、トータルのリラクゼーションを提供する場でありたいということです。リラクゼーションの場であっても、毎回同じでは飽きてしまいますし、それによって女装に興味がなくなってしまってはお店として許されることではありません。毎回お越しになるゲスト様に、来るたびに新しい何かを提供する。常に積極的に新しいサービスを、オープンからの私の心がけです。そのように考えると、リラクゼーションの材料は出来るだけ幅広い分野にわたるのがよいと言う訳で、例えばエステやマッサージと言った技術も具えたいと考えております。

アルテミスのゲスト様の多くがリピーターであって多い方では月に数回いらっしゃいます。その方達にとっていつも新鮮であるために、新しい設備・お衣装を入荷したり、頻繁にイベントを開催したり、毎週のように何か新機軸を打ち出すように心がけています。お店ではお金がかかりすぎて困るだろう…と心配してくださるゲスト様もいらっしゃいます。誠にありがたいことです。しかし私としては、女装を利用して専ら私腹を肥やすと言う道には入りたくありません。私の尊敬する父は、接客と言うことでは他の模範であるホテル事業に料理長兼、経営者として携わっていますが、常々こういいます。「ゲスト様から頂いたお金はすべてゲスト様の物。次にお越しになるときに、還元するべきである。自分が生活できるのはゲスト様がいるからであって、経営者たる者日々感謝の気持ちを持て。」私の座右の銘です。

アルテミスのゲスト様は来る度に美しくなられます。次はどんな変身が出来るのか、わくわくしながらご来店になります。来る度に新しい、そんな空間で女装をすればまた新しい自分の美を発見できるのです。ゲスト様がお帰りになるとき、男性社会に戻っていく姿を見送るときに、笑顔で手を振ってくださる姿を見ると、次にご来店になるときにはもっと素敵な空間にしておこうと毎回心に誓うのです。